持ち家を売って賃貸に住むのはあり?それとも最後まで自宅を売ってはいけない?どちらが正しいのか知りたいな…
持ち家はただの住環境というわけではなく、大事な資産の一つ。毎月の家賃を支払っても、手元に資産が何も残らない賃貸とは根本的に性質が異なるものです。
また、老後では持ち家のローン支払いの残高が少ない、あるいは支払いを完了されている方も多くおられるでしょう。
ちなみに総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の65歳以上で賃貸物件に住んでいる人の割合は、単身世帯で33.5%、夫婦のみの世帯で12.5%とのこと。
ところで、巷で話題になっている「老後に持ち家を売って賃貸に住むのはありなのか?」問題。ネット上では「最後まで自宅を売ってはいけない」という声や意見もちらほら確認できます。
人生の中でも一、二を争う大きな資産であり、長年連れ添ってきた大事な我が家である持ち家だからこそ慎重な判断をして、後悔をしたくないという方も多いはず。
そこで、本記事では、「持ち家を売って賃貸に住む理由」を列挙したうえで、「最後まで自宅を売ってはいけないと言われる理由」を徹底解説。
持ち家から賃貸を検討する際に、後悔をしないために潜在的なリスクを把握して最適な判断をされたいという方は、是非必見ですよ。
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【老後】持ち家を売って賃貸に住む理由3選
早速ですが、持ち家を売って賃貸に住む理由について解説します。
結論、それは以下の4つ。
老後等に持ち家から賃貸への切り替えを検討する人達は、一体どのような事情や背景があるのでしょうか。以下にて詳しく説明しますね。
持ち家を売って賃貸に住む理由①:まとまった資金確保
持ち家を売って賃貸に住む理由の一つに、まとまった資金の確保があります。老後や生活費の不安に備え、持ち家を売却することで得た資金を生活費や医療費、介護費用などのために準備が可能。
また、持ち家を現金化すれば、資産が現金として手元に残り、急な高額出費にも柔軟に対応しやすくなります。
老後の計画的な生活設計のために、持ち家を現金化して年金等の収入の足しにされる方もしばしば。
持ち家を売って賃貸に住む理由②:持ち家ならではのコストがなくなる
持ち家を売って賃貸に住む理由の一つに、持ち家ならではのコストがなくなることがあります。
持ち家では、修繕費やリフォーム費用、固定資産税、住宅ローンの残債といった維持費がかかり、長期的に大きな負担になることも。
変動金利ローンの場合、利上げによる金利上昇によって毎月の返済金額が膨れ上がり、やむなしで持ち家を手放さなければならなくなるケースもこれに該当します。
賃貸に住み替えることで、これらの費用負担がなくなり、毎月の家賃だけで済むため、将来の出費を見通しやすく、管理がシンプルに。
特に、賃貸では物件の管理や修繕は大家が行うため、自分で大規模な修繕を行う必要もない点が大きいといえるでしょう。
持ち家を売って賃貸に住む理由③:生活スタイルの変化
生活スタイルの変化も、持ち家を売って賃貸に住む理由の一つとして挙げられます。
たとえば、子供の独立や退職後のライフステージの変化により、広い家が必要なくなるケースなど。持ち家の維持や管理が負担に感じられる場合、賃貸に住み替えることで、必要な広さや設備に合わせた住環境を柔軟に選択することが可能です。
また、賃貸なら医療施設や公共交通機関の近くなど、老後のニーズに合った場所に住み替えができるため、生活の利便性を高めることもできます。
持ち家を売って賃貸に住む理由④:遺産相続のしやすさ
老後に遺産相続を考えるうえで、持ち家を現金化しておいた方が便利なケースがしばしば。
というのも、不動産は相続時に分割が難しく、相続人間での評価や活用方法でトラブルが生じることがあります。持ち家を売却して現金化しておくことで、相続時には遺産を分配しやすくなり、相続人間の公平性を保ちやすくなります。
また、現金であれば評価額も明確で、相続税の計算や納税もシンプルに。特に、対象の持ち家に相続人が居住しない場合、不動産の維持管理を相続人が引き継ぐ負担も避けられるため、遺産相続がスムーズに進むことがほとんどです。
【リスク】最後まで自宅を売ってはいけないと言われる理由
続いては、逆に最後まで自宅を売ってはいけないと言われる理由、持ち家を売却することによるリスクについて解説します。
結論、それは以下の4つ。
順番に詳しく説明しますね。
最後まで自宅を売ってはいけない理由①:賃料負担が大きい
最後まで自宅を売ってはいけない理由の一つに、賃料負担の大きさがあります。
賃貸に住み替えると、毎月の家賃が発生し、特に老後の年金生活においてはその支払いが負担になるケースもしばしば。
持ち家であれば、住宅ローンさえ完済していれば毎月のランディングコストは不要ですが、賃貸では家賃が終身にわたってかかり、物件によっては家賃の値上げや更新料も発生。
老後の限られた収入で生活する際に、毎月の賃料負担が大きな負担となることがあるため、安定した住まいとして自宅を残しておく選択が賢明な場合もあるのです。
最後まで自宅を売ってはいけない理由②:賃貸契約が難しいことも
最後まで自宅を売ってはいけない理由として、高齢者にとって賃貸契約が難しい場合があることも挙げられます。
賃貸物件は入居審査があり、年齢や収入状況、保証人の有無が審査に影響するため、高齢者は契約が厳しくなることは珍しくありません。
また、賃貸物件のオーナー側が高齢者の入居に慎重になるケースもあり、希望する物件への入居が難しいケースも。
持ち家があれば、こうした賃貸契約の心配が不要であり、安心して永続的な居住空間の確保が可能です。
最後まで自宅を売ってはいけない理由③:心身的な負担
住み替えによる心身への負担が大きいことも、最後まで自宅を売ってはいけないと言われる理由の一つ。
高齢者にとって、引っ越しは多くの手続きや荷物整理が伴い、体力的な負担がかかるだけでなく、慣れ親しんだ環境を離れる精神的なストレスがかかることもあります。
また、新しい生活環境に適応するのは容易ではなく、特に高齢者には大きな負担になりやすいことも。
こうした心身への負担をなるべくかけずに、長年慣れ親しんだ家で過ごし続けたいという方の場合、持ち家を売ることは避けた方が無難でしょう。
最後まで自宅を売ってはいけない理由④:大きな資金にならないことも
持ち家が想定ほど大きな資金にならないこともあるため、最後まで自宅を売ってはいけないと考えられる方はおられます。
不動産の市場価値は地域や経済状況によって変動し、売却を検討しても思った以上の価格で売れない場合は珍しくありません。
また、売却には仲介手数料や税金、手続き費用などもかかるため、実際に手元に残る金額は期待よりも少なくなることも。
実際、これは買い手毎の取引内容に大きく依存することであり、現在の市場適正価格として自分の持ち家がどれくらいで売れるべきものなのかは把握しておいた方がよいでしょう。
一社へ適当に見積り査定をしてもらって、折角の大きな資産を不意にしてしまうことだけは避けるべき。逆に言えば、複数の買取業者から査定価格を聞き、持ち家の現金価値を知ったうえで資金としてあてにするのか、確保して住み続けるのかを判断するのは有効手段です。
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【4選】持ち家を売って賃貸に住む時のポイント
ここまで解説してきたように、持ち家を売って賃貸に住むことにはメリットとデメリットの双方が存在します。
後悔のない選択をするために、ここからは以下の持ち家を売って賃貸に住む時のポイントについて解説。
持ち家から賃貸への切り替えを検討されている方は、是非必見ですよ。
持ち家を売って賃貸に住む時のポイント①:経済面でのシミュレーションを行う
持ち家を売って賃貸に住む際は、経済面でのシミュレーションをしっかり行うことが重要。
先述の通り、持ち家を売却すると手元に資金が残りますが、売却費用や税金、仲介手数料が引かれるため、実際に残る額を正確に把握する必要があります。
また、賃貸に住み替えることで毎月の家賃が新たに発生し、長期的な支出が増える可能性も。
さらに、年金収入で家賃をまかなえるか、資金が老後の生活費や医療費に十分かをシミュレーションし、将来の収支バランスを見据えた判断をすることが大切です。
具体的なシミュレーション例は以下に記載。
持ち家から賃貸へ切り替える際の経済シミュレーション例
- シミュレーション例
- 家賃:10万円
- 共益費・管理費:5,000円
- 光熱費(電気・水道・ガス):2万円
- 食費:4万円
- 医療費・保険料:1万円
- 生活費・雑費:1.5万円
- 予備費(急な出費への備え):1万円
- 合計支出
- 毎月の総支出:約18万円
- 収入例
- 年金収入:15万円
- 持ち家売却後の貯蓄からの補填:3万円(必要に応じて)
この場合、持ち家売却後の貯蓄から毎月3万円を補填して生活する計画となります。これに加えて持ち家の売却資金がどの程度残るか、また予備費や医療費の増加に備えて調整が必要に。
このように、家賃、生活費、年金収入をもとにシミュレーションを行い、長期的な支出計画を立てることが重要と言えます。
持ち家を売って賃貸に住む時のポイント②:家族に要相談
持ち家を売って賃貸に住むかを迷われている時は、家族と十分に相談することを心掛けましょう。
持ち家を売却することは、自分のみならず家族へも大きな影響があることがほとんど。特に家族が同居している場合、住み慣れた家を手放すことは家族全員の生活に大きな変化をもたらします。
家族の意見や希望を確認し、引っ越し先の条件や予算を一緒に考えることで、全員が納得する住まいの選択をすることが可能。
また、先述した遺産相続の件も同様に、売却に伴う経済的な影響や将来の生活設計についても話し合い、家族全員が安心して新生活を始められるようにすることが重要です。
持ち家を売って賃貸に住む時のポイント③:安い持ち家に買い替える選択肢も検討
持ち家を売って賃貸に住む選択肢を考える際に、同時に安い持ち家に買い替える選択肢も検討することも重要。
先述したように、賃貸は家賃が発生し続けるため、長期的には持ち家の方が経済的に有利になるケースも珍しくありません。
現在の家を売却し、より手頃な価格の物件に買い替えることで、維持費を抑えながら資産としての不動産を保持することが可能。
また、買い替え先をコンパクトな家や管理がしやすいマンションにすれば、老後の負担も軽減され、住環境の安定が図れます。現に、老後に持ち家を売り、都心を離れて地方の安い住宅に買い替えることでセカンドライフを謳歌する方も最近は増えつつあります。
持ち家を売って賃貸に住む時のポイント④:なるべく高額売却を狙う
持ち家を売って賃貸に住む時のポイントとして最も重要なのが、なるべく高額売却を狙うこと。
売却価格が高ければ、老後の生活資金や賃貸家賃の補填資金として余裕が生まれ、生活設計がしやすくなることは言うまでもありません。
市場動向を把握し、売却タイミングを見極めることでより良い条件で売却できる可能性が高まります。また、複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を確認することは納得のいく売却価格を目指す上で必要不可欠。
いえカツLIFEを活用すれば、無料で6社から売却価格の査定を行うことが可能です。先述したように、持ち家を売却するかどうかを判断するためにも、資産価値を把握しておくことは重要。是非、無料の範囲でチェックしておきましょう。
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【SNS調査】持ち家から賃貸はあり?なし?
最後に、持ち家を売って賃貸へ切り替えることについてありかなしか、SNS上の意見や声を調査しました。
該当するものが複数確認できたので、以下にて参考にしてみましょう。
SNSの意見/理由①: 後悔はしてない
持ち家売却、今までで最大の断捨離だったけど固定資産税も年々上がってキツかったし売ったことで貯蓄も増えて毎月積み立てニーサできる余裕も生まれたから後悔はしてないけどね。何かに縛られてると感じた時は環境をガラッと変えてみるのもアリなのかなと。
— ▽Kay?Zee▽ (@kz_plasma) July 8, 2022
持ち家売却、今までで最大の断捨離だったけど固定資産税も年々上がってキツかったし売ったことで貯蓄も増えて毎月積み立てニーサできる余裕も生まれたから後悔はしてないけどね。何かに縛られてると感じた時は環境をガラッと変えてみるのもアリなのかなと。
SNSの意見/理由②:家賃を払い続ける生活は苦しく、家を売ったことを後悔
定年後に持ち家を売ってはいけない?手放して初めて知った後悔。ある77歳男性は8年前、都内の自宅を売却し、板橋区の賃貸物件に移り住んだ。だが家賃を払い続ける生活は苦しく、家を売ったことを後悔。熟慮せず定年後に自宅を売るのは自殺行為であり、リフォームが最善策だとFP(*´∀`)ノ
— 競馬あるあるサイン (@urakeiba2011) January 11, 2020
定年後に持ち家を売ってはいけない?手放して初めて知った後悔。ある77歳男性は8年前、都内の自宅を売却し、板橋区の賃貸物件に移り住んだ。だが家賃を払い続ける生活は苦しく、家を売ったことを後悔。熟慮せず定年後に自宅を売るのは自殺行為であり、リフォームが最善策だとFP
SNSの意見/理由③:これからの生活が楽しみ
昨日新居に引っ越し、転入届も提出しました。
— ころ (@chanan1116) October 25, 2024
持ち家から賃貸になるので、不便は多々ありますが、日当たり良好、周辺環境良好なのでこれからの生活が楽しみ!
昨日新居に引っ越し、転入届も提出しました。
持ち家から賃貸になるので、不便は多々ありますが、日当たり良好、周辺環境良好なのでこれからの生活が楽しみ!
SNSの意見/理由④:所有してなくても快適だ
持ち家から賃貸に引っ越して解った。所有してなくても快適だ。息子と疎遠になって気付いた。自分が産んでも他者であり「我が者」ではない。
— Candy (@amazarashi789) October 16, 2024
所有欲とか独占欲とかは幻想なんじゃないだろうか?
本当は何も持っていない気がする。
持ち家から賃貸に引っ越して解った。所有してなくても快適だ。息子と疎遠になって気付いた。自分が産んでも他者であり「我が者」ではない。
所有欲とか独占欲とかは幻想なんじゃないだろうか?
本当は何も持っていない気がする。
SNSの意見/理由⑤:老後に不便な場所に住むのは辛い
持ち家だろうが賃貸だろうが老後に不便な場所に住むのは辛い
— べたにゃ (@betanyan) September 13, 2023
持ち家だろうが賃貸だろうが老後に不便な場所に住むのは辛い
SNSの意見/理由⑥:独身を貫く人の場合、ちゃんと持ち家はあった方が良い
独身を貫くって人の場合、ちゃんと持ち家はあった方が良いよ。
— noraneko (@noranez08) August 7, 2024
賃貸だと老後に退去ってなったら、引っ越し先なんてまず無いから。
今は元気で健康だから何でもできるだけでは、見通しが甘いって思われるよ。
独身を貫くって人の場合、ちゃんと持ち家はあった方が良いよ。
賃貸だと老後に退去ってなったら、引っ越し先なんてまず無いから。
今は元気で健康だから何でもできるだけでは、見通しが甘いって思われるよ
【SNS調査】持ち家から賃貸はあり?なし?:まとめ
- 後悔はしてない
- 家賃を払い続ける生活は苦しく、家を売ったことを後悔
- これからの生活が楽しみ
- 所有してなくても快適だ
- 老後に不便な場所に住むのは辛い
- 独身を貫く人の場合、ちゃんと持ち家はあった方が良い
SNS上で確認できた持ち家から賃貸はあり?なし?に関する意見や声をまとめると、上記の通り。
実際に、持ち家から賃貸へ切り替えたところ特に不便はしていない、後悔はないといった意見を複数確認できました。
逆に、家賃を払い続ける生活のきつさから持ち家を売ったことを後悔したという声や、収入能力に乏しく、信用情報的に不利になりやすい老後では賃貸を借りることが難しいという意見も。
賃貸だろうが持ち家だろうが、どのみち老後に不便な生活に住み続けることは難しいというネックに触れている方もおおられましたね。
個々の経済状況や、家族構成、持ち家をどこに持っているのかによって大きく考え方は変わるようです。
【老後】持ち家を売って賃貸に住む理由:まとめ
持ち家を売って賃貸に住むことを選択される方の理由は上記の通りでした。
老後の生活を考えると、今の持ち家より賃貸の方がメリットがある方がおられることも事実です。ただし、以下の理由から、最後まで自宅を売ってはいけないと考える人もいるように、それは各々の経済状況や生活環境によって変わります。
今の持ち家を売って賃貸に住み替えることのメリットと、デメリットやリスクを漏れなく把握したうえで、慎重な判断を行うことをおすすめします。
その上で、持ち家の資産価値を把握しておくことは重要。不動産売却の場合、市場トレンドのみならず、買い手や業者によって取引内容は大きく変わってきます。
有名でよく名前を聞く一社に適当に売却申し込みを行った結果、大きく損をしてしまうケースは後を絶ちません。まずはなるべく多くの不動産業者から査定を取り、情報収集を行うことで持ち家の適正価格が見えてきます。
持ち家を売らず住み続けるのか、賃貸へ住み替えるのか、あるいはより安くて条件の良い住宅に買い替えるのかを判断するためにも、是非無料の範囲で持ち家の資産価値をチェックしていきましょう。
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